関西大学校友会 堺支部
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行事報告


【第10回 逍遥の会】 2001年5月27日

<天平の香り漂う名刹を訪ねて> −西大寺〜西の京 散策−

前夜の雨も何とか小康を保ち今日の集合地、近鉄奈良線と橿原線の接点となる大和西大寺駅に歴史ウオーク&史跡探索者が勢ぞろいする。総勢7名である。
天平の風に吹かれて訪れる行程は、薬師寺、唐招提寺を中心とする平城京の右京、西の京と呼ばれている地域に歴史のロマンを求めての史跡巡りである。

スタートの西大寺は参加者も駅の名と思い込んでいる程知られてない(?)お寺である。西大寺は、あの大仏の東大寺に対する西の大寺として建造されたものである。
創建時の遺物は東搭跡が残るのみであるが、毎年1月15日、4月の第2日曜日と前日の土曜日及び10月の第2日曜日に行われる大茶盛{大茶碗でお抹茶を頂く由緒ある茶儀}は近年宝物より有名になっている(?)機会があれば参加したいものである。
大宮人が歩いた田園風景も、今は区画整理がなされ住宅、マンションの建築ラッシュが続いている。古くは渡来の土師氏の居住地であった菅原の里に菅原神社、喜光寺を訪ねる。

「天神様」菅原道真もこの地で生まれたとされている。菅原神社には天神様にあやかって古くなった筆を燃やして供養する筆祭(毎年3月25日)が行われる。さらに東には菅公が産湯を使ったと伝えられる天神堀がある。喜光寺は古くから菅原寺と呼ばれ行基が活動の拠点とした寺である。聖武天皇が参詣のおりご本尊より不思議な光明が放たれ、そのことを喜ばれた天皇が寺の名を喜光寺と改名されたと縁起に記されている。この寺の住職は薬師寺の執事が兼ねてるということもあり、この小規模の寺の営みの大変さをガイドの中ににじませていた。ボランティアに依存している寺の運営である。

夏には美しい花をつけて訪ねる人を楽しませてくれる花蓮、蓮の花の命は短いので異なる品種を植えて長く楽しむための配慮がなされてるということである。丹精こめて作られたその花蓮の鉢が並ぶ南側に建つ金堂は東大寺大仏殿の1/10の規模であり、「試みの大仏殿」と言われている。詳しいガイドの説明に予定時間をオーバーして喜光寺を辞して、観光マップ等でぜひ歩いて欲しい道と推奨されている第12代垂仁天皇陵から薬師寺への道を取る。薬師寺の搭が見える場所、土塀の続く道は、いわゆる奈良を感じさせてくれる道である。遅い昼食を摂り、薬師寺の南門をくぐり歴史を感じさせる東搭を仰ぎ見る。

そして、平山郁夫画伯が30年の歳月をかけて完成された大唐西域壁画を観る。玄奘三蔵の求法の精神を感じながら金堂に入り、中央の薬師如来、左右に日光菩薩、月光菩薩拝み観る。一同少々疲れ気味のため、薬師寺北門前の「食事処しらかわ」で西の京団子に舌鼓を打ちお茶の一刻とする。

その後は、匠の心意気の「がんこ一徹長屋」を見学してその真髄に触れ、左京にある大安寺へ急ぐも残念ながら拝観の時間の遅れ残念な結果となる。申し訳ない。
JR奈良駅近くの食事処で打ち上げの懇親の宴を持ち、本日の行程すべてを終了する。


小川 耕二

<西大寺にて>
西大寺にて

<垂仁御陵の池前>
垂仁御陵の池前

<唐招提寺前>
唐招提寺前

<薬師寺にて>
薬師寺にて

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