関西大学校友会 徳島支部
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 関大連で阿波踊りに目覚める  ---貝出宏文(昭56学一哲)---

鉦太鼓の騒がしい踊り場の脇を、耳をふさいで駆け足で通り過ぎる。僕は、阿波踊りが大嫌いだった。

昭和52年春、桜の絨毯を静かに踏みしめ法文学舎への坂道を上った。図書館本館が見える。大きくはないが晴れやかな空を支えた建物が印象深い。下宿生活にも慣れた梅雨の頃、関西大学徳島県人会から阿波踊り参加勧誘の葉書が届く。熱い夏の始まりであった。

8月12日夕暮れ、町は渋味の効いた照明に照らされ、阿波踊りの大舞台となる。桟敷に「よしこの」が響き、人は溢れ、踊りの渦が喜怒哀楽を飲み込み、うねり、ぞめく。アーケードでは、各連が自らの音色を主張しながらすれ違う。度を越せば始まる喧嘩を制止、提灯を操る先達が声を張る。男は関大。女も関大。粋がいいのは関大連。やっとさー。やっとやっと。無茶乱暴をバンカラと勘違いしていたころ、正調とか、型に馴染めず、団扇を両手に踊り狂う学生。眉をひそめた批判も聞くが、同じあほなら踊らにゃ損々と、酒と活気に酔いしれた。踊りが終われば祭りの後。頭の中で鳴り止まぬ鉦の音を聴きながら、喜松亭(当時お世話になった集合場所)の玄関先にしゃがみ込み人生を語り合った。

無常を喜び、不変の真理を求め、美を愛でる。それを学生が学生らしかった時代と考えるのは歳を重ねたからだろうか。学生連としてご挨拶をさせていただいた校友会の先輩方にはいまも引き続きお世話になっている。関西大学とは学舎にあらず、人の繋がりだと感じることのできる今、120年の重みに感謝するとともに、学生連がますます元気であることを心より願う。最後に、校友会有志の方々にご提案申し上げる。関大連で阿波踊りに参加されたし。

(阿波銀リース(株)勤務)
関西大学校友会出版「関大」第531号より転載


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