関西大学女子秀麗会は、関西大学卒業生・在学生の女性だけの親睦の会です。

淀川がつなぐ人と文化―煎茶を介したサロンの形成

２０２４年２月２４日（土）楽塾３５は江戸後期に大阪で生まれた「煎茶」を介したサロン文化を継承する「一茶庵」を尋ねました。参加者は１５名。講師は家元、佃一輝さんの息子さんの佃梓央さんです。会場は国指定登録有形文化財の佃家千茶室です。まず伺ったのは、文人煎茶会が大阪発信だったこと。１６世紀に中国の蘇州の「呉派」と呼ばれる山水画がその発信を牽引し、当時経済の中心だった大阪商人たちが、遊びと教養を求めその文化をとりいれたとのことでした。中心の人物としては岡田米山人、青木木米、上田秋成などでした。
煎茶体験として、まず、梓央氏から六安茶がふるまわれ、その香りを体験しました。

大阪を代表する淀川を蘇州に見立て、そして、大阪流にアレンジ、作法を問わず、山水画や文物について語りあうという煎茶を介してのサロン文化を、束の間、体験することができました。煎茶室の珍しい数々のしつらえの説明を受け、最後に「龍井茶」を味わいその香りに深く古の大阪人のサロン文化に思いを馳せる貴重な時間でした。