私の家族自慢
2024年7月投稿
「私の家族自慢」
多田 孝男さん(19期・経)
父が早世したことは、今まで多くの知人等に話したことはありますが、自慢はしたことがないので、父の没後まもなく70年となるところで、父を自慢します。
父の両親(私の祖父母、後、私の養父母)は、共に文盲で、知識も常識もない人でした。
ところが父は優秀で旧制中学へ進学しました。
平和な時代で裕福な家庭なら、旧制高校・大学へと進学の夢も持てたと思います。
旧制中学卒業後、横須賀市の海軍航空技術厰飛行部の設計係として働き、パイロットでもありました。その後赤紙が来て出兵。終戦により、命からがら帰還しました。
その後、国鉄に入職し、結婚して私が生まれると腎機能が悪化し、入退院を繰り返した後、34歳の若さで他界しました。
楽しいことなどほとんどない青春時代をすごし、たった34年の短い人生を終えた父ですが、父が戦死していたら、私はこの世に生を受けることもありませんでした。
もちろん、私も父のことはほとんど記憶にありません。しかし、私にとっては、かけがえのない自慢の父です。私の父もまた、そういう時代を生きた者の一人であり、その証になればとの想いから投稿しました。
