作品発表
2023年1月投稿
「篆刻に魅せられて」
村田 千加良さん(8期・法)
昭和39年。法学部卒業と同時にONKYOに就職。約20年の勤務を経て、故郷の広島県三原市に帰り、損保代理店の自営に転じました。
50歳を過ぎた頃、ふと「これから、どう生きようか」と考え、没頭できる趣味もない中、書道教室に通い始めました。
そこで、文字には多くの書体があることを知り、数冊の字書を購入。さらに古代の青銅器の表面に刻まれた金文を臨書したとき、調和のとれた美しさや歴史など、文字が持つ奥深さに引きこまれました。
そのときの印象は、数年前に、倉敷の大原美術館で見た、エル・グレコの名作「受胎告知」からあふれる輝きに身動きできないほどの感動を受けたときにも似た、強烈なものだったと思いました。
その後、「古代文字を現代の美として再現したい」との思いがつのり、60歳から篆刻の作家活動に入り、66歳のとき県美術展に出品した、印影「臨大難而不懼」(大難に臨みて懼れず=大きな難事にあってもおそれない)で、「奨励賞」を受賞しました。
また日本篆刻家協会でも数々の賞に預かりました。
文字の表現方法として、篆刻、書(墨)、PCによるデジタルアート(カラー)、木片に彫刻(レーザー彫刻機)等による創作活動に励んでいます。
"生涯現役"をモットーに、個展を開催しながら日々過ごせたら幸せと思っています。
(事務局記)
令和4年3月6日に掲載された読売新聞オンラインの記事 には、自宅のアトリエで作品に囲まれて座る村田千加良さん。その後ろには、9学年下の弟・兆治さんの写真と色紙が飾られ、そこにも千加良さん作の落款が押されていました。雅号は「楽峰」(らくほう)とおっしゃるそうです。