私の体験記
2024年8月投稿
「新米の思い出」
三村 公人さん(7期・法)
秋の収穫時に毎年届けられた、精米したての福井県産の新米「はなえちぜん」を忘れることはありません。送り主は、大学寮時代の先輩Aさんでした。大手地銀を定年退職後、パソコンのボランティア活動で活躍し、仲間とゴルフや登山にセカンドライフを謳歌していました。
現役時代から会社の休みに手伝っていた米作りを本格的に取り組みました。気候や風水害などの自然条件に左右され、「毎年が一年生」と言われるように、米作りは大変難しいとのことです。経験不足でさぞ苦労したことでしょう。体が続く限り米作りに挑戦すると言っていた先輩を応援するとともに、毎年感謝の気持ちいっぱいで汗とご苦労の結晶の新米をごちそうになりました。
しかし、数年前、体力的に自信をなくし、米作りから引退しました。米の収穫時期になると先輩の新米「はなえちぜん」の温もり豊かな味を懐かしく思い出します。
(PHP「談話室」2024年9月号・8月10日発刊に一部校正され掲載)