お宝拝見
2023年4月投稿
「井の中の蛙」
杉本 和憲さん(3期・法)
「井の中の蛙」といえば「大海を知らず」と後に続くのが 大方の常識であろう。
それを「井の中の蛙、天を知る」と言った人物がいる。独創的な陶芸家、河井寛次郎だ。
この言葉を初めて知った時は、世の中にはとてつもない発想をする人がいるものだと衝撃を受けた。
そもそも「井の中の蛙」とは、行動範囲の狭い人物を小バカにする言葉だ。
しかし「井の中の蛙」を小馬鹿にする人たちが見る大海なんて、所詮クローズエンドで有限なものだ。
井の中に這いつくばって見上げる天は無限だ。オープンエンドでスケールが違う。哲学的でさえある。
それ以来、何とか寛次郎の作品が欲しいと思っていたが、そんな時、ある百貨店で寛次郎の作品のオークションがあることを知った。最低入札価格が95万円とあるので96万円で応札したところ、幸運にも落札することができた。
鳥取に行った折、何度か行った日本庭園で有名な足立美術館には寛次郎の間がある。
それを見るのも楽しみの一つである。